[p1〜p13][p14〜p18][p19〜p23] [p24〜p28][p29〜p31][p32〜p36][p37〜p40][p41〜p47][p48〜p50]
3.2 SC28(Office equipment)総括 SC28委員長 山田 尚勇
日本の提案で発足したSC28(事務機械)活動は、8年目を迎え、第8回総会が昨年6月米国オレゴン州ポートランドで開催された。第1ステップの活動として、複写機・プリンタ・イメージスキャナ等の仕様書様式・性能試験方法及び画質評価方法が取り上げられてきたが、これらはほぼ完了し、新たに、前回に引き続いて第2ステップとしての新テーマが提案され、多くの時間をかけて慎重に議論された。以下にポートランド会議を中心にSC28の概要を報告する。
昨年、ドイツから、ファクシミリの基本規格3点がFast trackにより提案され、97年2月にそのDISが承認された。しかし、前回、Fast track制度には本質的に問題のあることが議論され、JTCl宛、意見書(Fast track提案を出す前に関係するCSで検討できるようにするとの要望)を出すことになっていたが、アクションがとられていなかったので、今回もこれを確認し、提出することとなった。
ファクシミリ基本規格(3点)のFast track DISは、賛成国多数で、承認されたが、日本及び、アメリカより反対意見が提出されており、これをどう処理するのかについて、議論が行われた。結論としては、JTCl Directivesの13章(Preparation and Adoption of International Standards Fast track processing)に基づき、Ballot Resolution Groupを編集して処理することとなった。Convenerとして、日本の山田委員長、Project editorとしてドイツのMr.Hertleinが任命された。昨年の9月17日〜18日、米国サンノゼ(場所は、SC28 SecretaryとBallot Resolution Group Convenerが協議して決める)で会議を開催することになった。
既に、ドイツよりFast track提案(投票締切り1997.10.24)されているテーマであり、ポートランド会議にて、Fast trackの必要性、作成・メンテナンスの困難さ等について改めて活発な議論が行われた。97年12月にDIS投票が実施され承認されてしまった。Convenerとして日本の伊藤丘委員、Project editorとしてのドイツのProf.Klaus Richterが任命され、98年3月にBallot Resolution Group Meetingがベルリンで開催された。
日本から、Colours for office useの検討状況とColour pickerの標準化を提案した。オブザーバーとして参加した富士ゼロックス(株)仲谷氏が専門家の立場で積極的に意見を述べ、活発な意見交換が行われた。結論としては、Colour performance profiles for office devices and systemsとして、新テーマを提案することになった。内容の詳細は、添付資料(NP提案書、SC28N285)の通りである。Business Teamを発足させ、幅広くColour Managementを取扱うようになる可能性が高い。Project editorは米国から出すことが議決された。Project editorはNPコメントの検討のため、必要に応じ、会議を招集することとなった。しかし、その後の動きはやや鈍い。
さし当たり、用語の標準化に関するSWG(Convener:米国のMr.Jone Flannery)を編成することになった。SWGは、12月までに、今迄に配布された関係資料を基に検討し、その結果をSC28 Secretaryに報告するとともに、必要に応じ、NP提案を行うことが議決されたが、その後の動きは活発ではない。
ドイツよりImage scannerのLuminance and ColourのOutput Dataを規定することを目的としてこのテーマが提案された。NP(CS28 N283)として提案すること、Project editorの候補として、ドイツのMr.Wolrfam Buchrothを任命することが議決された。Project editorは、必要に応じSWG会議を招集することになっている。
ISO/IEC DIS 13360の投票結果、主要国のコメントとして、System calibration procedureを追加すべきとのコメントが提出された。このテーマは、これへの対応としてProject editorより提案されたもので、NP提案すること及びProject editorの候補として米国のMr.manny Oldsを任命することが議決された。必要に応じ、SWG会議を開催することになっているが、特に動きはない。(SC28 N285参照)
このテーマは、Pilot business teamで検討することが既に決まっている。SC28もこれに深く係わり合うことが予想されるので、メンバーを出すことになった。ドイツ及び日本から出すことが了承されている。
次回 :1998年5月 於ブラジル国リオデジャネイロ(ホスト国:ブラジル)
次次回 :1999年5月 於日本国(ホスト国:日本)
3.2.1 SC28/WG2(プリンタ) 主査 竹信 秀俊
プリンタ関連の作業は、95年度で一通り完了しているため、本年度は活動を行って
いない。
(2)今後の主要課題
複写機用カラーテストチャートのIS化(DIS 15775)検討が進められているが、次のステップとして、デジタル複写機やプリンタ用として、テストチャートのデジタル化が検討テーマに挙げられている。
この動きに注目し、必要に応じて複写機グループ(WG3)と共同で検討していく必要がある。
3.2.2 SC28/WG3(複写機) 主査 伊藤 丘
(1)活動状況
(2)今後の課題
(3)その他(特記事項)
特に無し
(4)国際会議参加予定
'98年5月上旬 ブラジル国(予定) 2名
Plenary Meeting
(5)国際規格のアップデート状況
DIS投票 |
IS制定 |
||
14545 |
複写生産性測定方法 |
95/8 |
98/5 |
15775 |
カラーテストチャート規格 |
97/12 |
? |
3.2.3 SC28/WG4 (画質評価)
主査 稲垣 敏彦
(1)活動状況
'92年6月のLos AngelsのSC28本会議で提案された「ハードコピーの画質評価法」は、その第1ステップとして、モノクローム画像をテストチャートを使わないで評価する国際標準「Office equipment - Measurement of image quality attributes for hardcopy output - Binary monochrome text and graphic images」の検討を始めてから、5年が経過した。
'96年6月のGenevaのSC28本会議の後、'96年10月にSan Antonioで画質評価のSWGを開催し、原案の不具合点を検討した。その後もE-mailで検討を続け、'97年6月9日−13日のPortlandのSC28本会議でその確認をした。
その後、修正されたIS案が9月に出来上がり、チェックを行った。しかし、最終的にSecretariatおよびITTF(情報技術タスクフォース)に提出されたとの報告はない。
WG4国内委員会としては、IS 13660の測定精度がキープされるように、測定ソフト、較正チャートなどの検討を進めることと、これまでの活動を広く知ってもらうために事務機械工業会標準を目指して、標準案の全訳を開始した。
3.2.4 SC28/WG5 事務機器の再生/再使用
主査 小渋 弘明
(1)活動状況
1996年12月から活動を開始したSC28/WG5委員会は、先に新規課題として提案されたJCT1/SC28 N244 「Refurbishing and remanufacturing of office equipment」(DIN)とJTC1/SC28 N247 「Specifications for Reuse of Office Equipment Elements and Materials」(ANSI) に対して、1997年6月に行われた国際会議への対応および日本の提案内容を検討することを中心に活動がなされた。
日本提案を検討するに当たっては、まずDIN(独)、ANSI(米)から提案された2つの提案の意味を理解する必要があった。特には提案の目的とユーザーのニーズは何かである。各委員から出された不明点・疑問点を主査が電子メールにてDINおよびANSIの委員へ直接問い合わせる方法により、不明点を明確にし両国の提案の背景・目的を探る活動を進めた。
平行して日本国内外の環境規制の動きや企業活動の変化を整理することで、日本が抱える問題点や国内の関連企業の環境問題への対応の方向性を把握し、再生・再使用に関する用語の規格化のニーズを探るための作業を行ってきた。主な活動としては、
があり、参加企業の協力を得て進められた。
これらの活動により、DINおよびANSIの情報からは現状では規格化に対する顕在化したニーズはなさそうであること、各国の機器の再生・再使用に対して法律上の問題点が掴みきれない状況にあること(特に米国内において)が分かってきた。
また、業界各社の調査結果からは、リサイクル活動、特に機器の再生・再使用に関しては各社その対応にバラツキがあること、各社のリサイクル用語の定義は共通点はあるものの相違点も多々ある結果となったことなどから、用語の規格化に当たっては各国・各企業の状況も加味して充分な調査と議論が必要であることが分かってきた。
SC28国際会議への日本提案は、まず環境問題の日本における現状を報告をおこない、結論として再生・再使用の用語の規格化のためには本委員会が検討に使用した「OA機器の再生・再使用の定義表(別表1)」をたたき台とし、より掘り下げた議論が必要であるという提案にまとめた。
1997年6月9日から13日に米国 オレゴン州 ポートランドにて行われた国際会議において田代主査により日本提案(ISO/IEC JCT1/SC28 Portland03 N270)が報告された。この報告の中で、複写機等の再生に関連した日本の現状を記録したビデオ2本(JBMA作成)を公開し、参加各国から好評を得た。
会議のなかではANSI(米国)より新たな提案がなされ、大きな方針転換がなされた。それはこの用語の規格化においては環境問題、カスタマー、メーカー、各国の法律、etc.が関連する為、ANSIが提案当初考えていた様に簡単には規格化が出来ないことが分かってきた等の理由により、今までの提案を一旦忘れて再度原点に戻って新たな考えで進みたいというものである。評決によりWG5のテーマを“Terminology for Manufacturing Processes of Office Equipment” とすることが決定された。さらにSpecial Working Group(Convener:米 J.Flannery)を結成し、新部品および新部品と同等の性能を有する再生部品によって工場生産された製品についての用語、各国の環境・市場・事業性・法律等のスタディを行い、検討結果を報告することとなった。
(2)今後の計画
国際会議の決定を受けて当国内委員会ではSWGの動向をウォッチしながら、新テーマに関する日本国内での問題点の抽出を行っていく必要がある。テーマの課題が大きくて難しいため、論点を絞った慎重な現状把握を行いたい。
(3)国際会議出席者
田代 勇夫 (TTプランニング)
第8回SC28 Plenary Meeting
1997年6月9日〜13日 米国オレゴン州ポートランド,The Heathman Hotel
(4)その他
当国内委員会を主査としてリーディングして頂いた田代 勇夫氏(TTプランニング)は、1997年6月の国際会議出席をもってJBMAの活動から離れられることとなった。この場を借りてお礼を申し上げるとともに、今後のご活躍に期待します。田代氏の後任として富士ゼロックス(株)の小渋 弘明が主査として選任された。
(別表1) SC28/WG5 OA機器の再生・再使用 定義表
定義項目 |
新品機 |
再製造機 |
再生機 |
Refurbishing機 |
製造場所 |
||||
品質基準 |
||||
実施者 |
||||
パーツ供給期間 |
||||
対象ユーザー |
||||
作業手順 |
||||
メーカー保証 |
||||
安全規格(再取得) |
||||
カウンター(変更有無) |
||||
商品名(変更有無) |
||||
機番(変更有無) |
||||
原産地表示(変更) |
||||
仕様(変更有無) |
||||
著作権料(再取得) |
||||
表示(必要性) |
[p1〜p13][p14〜p18][p19〜p23] [p24〜p28][p29〜p31][p32〜p36][p37〜p40][p41〜p47][p48〜p50]
Last Up Date 2002/07/23
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