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平成9年度(1997)標準化委員会報告書
はじめに
社団法人 日本事務機械工業会
標準化委員会
委員長 谷本 健二
標準化委員会は、『秩序ある業界の発展』を狙いとして、26社に上る各会員企業の積極的参加の基、委員一同鋭意標準化活動の推進に取組んでおります。
『標準化の推進』は、事務機械エリアのグローバル化が進展する中、国際標準に整合した製品開発を行う事は、極めて重要事項となってきております。’97/11には、『我が国の国際標準推進のあり方』が、日本工業標準調査会より通商産業大臣に答申されており、当工業界のみならず産業界全体としての重点課題と考えられます。
当工業会の21世紀に於ける継続的発展に向け、今、各部会・委員会の力を結集し、スピーディな事務機械工業会標準の制定、そして日本からの国際標準化に向けての提案とリーディングによる、事務機械エリアの国際競争優位の確立が重要であります。
‘97年度は、国際標準化動向及び市場・技術・社会環境の変化を取込み、活動テーマ及び体制基盤の見直しを実施致しました。
- 市場/技術環境の変化
事務機械総生産金額は、ここ数年横這い状況ですが、オフィス環境のアナログ機からディジタル/フルカラー/ネットワーク化へのシフトが進み、事務機器間のネットワーク接続性をめぐる標準化、及びカラーマネージメントの課題が顕在化してきております。
⇒『カラー化/ネットワーク化への対応』の為、オフィスカラーTFの活動が順調に
完結すると共に、カラーマネージメントをテーマに研究会を新設。
- 社会環境の変化
オフィス機器の高機能化・多機能化・システム化の進展に伴う操作の複雑化、ユーザー利便性の低下、及び身体の不自由な人、老若男女、何れにも優しい共用機器のあり方が課題となっております。
⇒『C.S向上』の為、UIデザイン小委員会の体制強化及びユニバーサルデザイン研究会を新設。
- 企業生産性向上
企業間協業による生産性の向上・企業活動の活性化の為、CALS/共通化・標準化推進が重要となってきております。(電子マニュアル共通化/電子商取引)
⇒『オフィス 生産性改革』の為、オフィスCALS研究会を新設。
- 国際標準化支援体制の整備
世界の事務機械供給に大きなシェア(国際生産金額70%)を占める日本の事務機械工業会が、その国内標準の国際化を推進支援する為、意識・仕組み・体制を整備し、国際の場における日本の主導体制強化が重要視されている。
⇒『グローバル・スタンダード推進』へ向けての体制整備
今年度は、各部会、委員会、小委員会、各委員のご協力の基に標準化活動、JBMSの改訂・新規制定、ISO/IEC受託業務関連に就きまして、多くの成果を上げる事ができ深く感謝致しております。
今後も、国際標準化推進の強化・市場・技術・社会環境の変化に迅速に対応し、顧客の満足度向上、そして標準化推進による事務機械工業会の秩序ある発展の為には、各部会・委員会のご協力が必要不可欠で御座居ます。
今後共、一層のご支援とご協力を宜しくお願い致します。
1. 標準化委員会
1.1 標準化委員会
委員長 谷本 健二
1.1.1 ’97年度の活動成果
’97年度は、国の標準化政策に沿い、且つ、産業界の動向を注視しながら、カラー化/ネットワーク化/顧客満足度向上/国際整合化、これ等に視点をおいた標準化活動を積極的に実施した。
(1)カラー化・ネットワーク(NW)化への対応
@カラーマネージメントの推進
- NWを活用した通信販売・デザイン・美術などの分野では、画面で見た色と出力された色が異なる事によって大きなトラブルに発展するとの危惧が世界的に高まっている。日本では、行政主導の基、色標準化(色再現性)に係わる包括的な調査(オフィスカラーTF主査が参加)が5月に終了、色国際標準化に向けた動きが出始めた。当委員会ではこのような国内外の動向とリンクするために、「カラーマネージメント研究会」を8月度に新設、各社に跨る共通課題の抽出を開始した。
- JBMAカラーピッカーの試用ソフト(’96年度成果)を6社によって評価、問題が無い事を確認、仕様書を作成してJBMS化を提案した。
A電子文書の互換性確保
- ISO規格を東アジアで普及/実用化させるための国際会議を京都で開催し、日/中/韓/米/独/露の6ヶ国から13名の参加を得て、ガイドラインの検討を実施した。
- DSSSL標準ライブラリの標準情報(TR)の原案を作成した。
BオフィスCALSの推進
グローバルなビジネスをサポートする情報交換のあるべき姿について7月度から研究を開始、種々検討の中から、各社にあるマニュアルの統合の必要性が研究テーマとしてクローズアップされてきた。
研究のすすめ方(次年度計画として)について更なる検討を重ねている。
(2)顧客満足度向上(ユーザーの利便性向上)への対応
- UI(ユーザーインターフェース)の改善
各社に跨るUI問題の早期解決を図るため、旧デザイン小委員会のステアリング機能を改善/改組した新組織「UIデザイン小委員会」を7月度から発足、UI用語を含む3WGの共同研究を開始した。
- ユニバーサルデザインの推進
体の不自由な人、そうでない人、老若男女、何れにも共用品として優しく扱える機器の開発を意図した「ユニバーサルデザイン研究会」を2月度に新設、新たな市場創造に向けた共同研究を開始した。
(3)国内外標準化政策への対応
- JISゼロベースの見直し(JISゼロ化を目的とした抜本的評価)
通商産業省(機械情報産業局・工業技術院)からの依頼によって当工業会関係22項目のJISについて各部会の協力を得、国際整合/存在価値の観点から、JISゼロベースの見直し」を行い回答した。
結果は、要継続:8件、要改正:6件、廃止:8件であった。
- JISの国際整合化
(財)日本規格協会の依頼(’96年度)によって国際整合化を図ったJIS原案、JIS B 9527(改正)、同X 6301(改正)、同X 6302(改正)、同X 4154(制定)が日本工業標準調査会の審議を経て発行された。
- JBMSの制定・改正推進
- JIS Z 8301の改正を受け、JBMS-27(JBMSの作成基準)及びJBMS-6(用語規格の作成基準)を合体する形で全面的に改正した。
- 新規JBMSとして提案されたJBMAカラーピッカー、ディジタル印刷機用語、実装規約関係5件、ICアプリケーション識別子の付番方式、計8件をチェックし、提案元へコメントを発行した。
(4)広報活動
- 標準化ニュース第30号、31号(各600部、全会員企業及び関係先)の発行
主内容は、最近の標準化行政動向(by工業技術院)、Jアドレス照会(byワードプロセッサー部会)、GIIとしてのオフィス機器(by外部講師)、ISO/IEC動向(by ISO/IEC国内委員会)などを掲載した。
- 標準化委員会HP(ホームページ)の実験開始
インタラクティブなコミュニケーション及び効率化/活性化を図る目的でHPを10月度から開始した。

http://www.remus.dti.ne.jp/~jbma/index.html
1.1.2 ‘98年度の活動方針
‘98年度は、標準化委員会の中・長期計画の2年度目にあたり、当該計画をベースに市場背景を踏まえた標準化推進活動の確実な実施が期待される年度である。
情報機器のディジタル化、カラー化、ネットワーク化が更に進み、システム化されて取り扱いが数段複雑になった機器のインターフェースを共通化/標準化する必要性が高まっており、従来のアナログ機の時代に比較し、標準の果す役割が非常に大きくなっている。加えて、国内・輸出ともに今後も順調な増加が予測される状況に鑑み、国際生産金額でも多くの実績を持つ当工業会は、国際標準化の推進役としての期待役割が大きい。
従って、今年度は、国の標準化政策に沿い、且つ、産業界の動向を注視しながら、以下に示した「’98年度基本方針」の基、重点テーマに的を絞り、活動の効果的な運営を図りながら、標準化推進事業を展開する。
’98年度
標準化委員会
基本方針

カラー化/ネットワーク化への対応
CS
(顧客満足度)の向上
オフィス生産性の改革
グローバル、スタンダード化のスピードアップ
<事業の内容>
(1)カラー化/ネットワーク化への対応
- カラーマネージメントの推進
色国際標準化(カラー情報の再現性)に関する業界の課題/問題を抽出し、業界としての対応策を見出す。
- ホームページによるコミュニケーションの改善
JBMS(規格数59)、当委員会の活動状況、標準化ニュース、最新トピックスなどを電子情報化して掲載し、リアルタイム・インタラクティブなコミュニケーションが図れるように工夫し、展開する。
(2)CS(顧客満足度)の向上
- UI(ユーザーインターフェース)の改善
各社が困っている「UI用語(機能名称・部位名称)」、「ビジュアルランゲージ(画面アイコン・図記号・絵文字)」、「エネルギースター(Tier-2対応、操作指示方法・機能名称)」の共通化を研究し、標準化を図る。
- ユニバーサルデザイン(共用品)の推進
社会環境の変化を踏まえ、身体の不自由な人、そうでない人、老若男女、何れにも優しく扱える共用機器のあり方を研究し、新たな市場創造に向けた共用機器の標準化を推進する。
(3)オフィス生産性の改革
- EC(電子商取引)の研究
ネットワークを利用した契約・取引き・決済等について国内外の動向を調査し、各社に跨る課題/問題を抽出し、業界としての対応策を研究する。
- マニュアル共通化の推進
各社に跨る共通基盤を持った電子化マニュアルの実用化を研究し、標準化を推進する。
(4)グローバル、スタンダード化のスピードアップ
- 国際標準化推進支援体制の整備
JBMS/JIS等、国内標準の国際標準化提案を強力に推進支援するための仕組み及び体制を整え、国際の場(ISO/IEC)における日本の主導体制強化に寄与する。
- JBMSの推進
部会・委員会から提案されたJBMSの審議を効率的に行い、標準化を推進する。
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Last Up Date 2002/07/23
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