平 成 10 年 度
国 際 標 準 化 活 動 報 告
(社)日本事務機械工業会
ISO事務機械国内委員会
IEC TC74国内委員会
平成10年度 国際標準化活動報告
1. ISO事務機械国内委員会・同運営委員会 委員長 尾上 守夫
を支給することにした。
(1) 林 義昭 幹事が、永年の貢献により通産大臣賞を受賞した。
副委員長に就任した。(木澤 誠 前副委員長は、顧問に就任した。)
また、新たに大久保 彰徳氏が幹事に就任した。
2.SC17(IDカ−ド及び関連機器) 委員長 大山 永昭
NP 1件、FDIS 1件、DIS 3件、FCD/PDAM 3件、CD 8件
木澤 誠 委員長が98年12月で退任し、代わりに大山 永昭 氏が就任した。(木澤 誠
前委員長は、顧問に就任した。)
また、幹事 廣川 勝久 氏が99年1月で退任され、代わりに村松 正男 氏が99年4月より
幹事に就任された。
3. SC17/WG1(IDカードの特性及び試験方法) 主査 寄本 義一
3.1 活動状況
1998年6月2日から4日 日本 京都市
(1996年6月5日 運転免許証に関するWG1米国委員との意見交換会)
1998年10月13日から15日 米国 ボルチモア市
1999年3月9日から11日 英国 エジンバラ市
ISO/IEC 10373-1,-2,-5が、ISとなり出版された。
(3) 国内WG1は課題の検討のために、1ケ月に1回のペ−スで行われた。
・ ISO/IEC 10373-3,-4,-6の CD投票の検討
・ 新試験方法の検討
・ 薄型カードの標準化作業(WG1で検討する場合)
・ ベースドキュメントISO/IEC 7810,7811シリーズの定期見直し
作業は、7811-2が、低保磁力/高保磁力/磁気トラック1、2、3の位置を1つのスタンダ
ードとするようにすすめられている。
・ 薄型カード(TFC)をWG1で継続して審議するか、新WGで行うかの国際投票が行わ
れたが、結果は現時点では出ていない。
・ 試験方法の標準化において、各WGが技術的な責任を持ち、編集作業をWG1が行う
ことになっているが、この方法で、今後も対応していくかどうかの検討がSC17のブ
レナリミーティングであったが、その後、進展していない。
平成11年6月 ギリシャ カラマタ市
平成11年10月 米国、フェニックス市
平成12年2月か3月 未定
各会議には、3名の参加を予定。
4. SC17/WG4(端子付ICカード) 主査 松本 勉
4.1 活動概況
本年度SC17/WG4(端子付ICカード)活動状況について各パートに分けて以下に示す。
ICカードの中のデータ要素においてISO9992-2との関連を明確にする事と、国内チップ製造
者登録(社名、連絡先住所、電話番号等)を実施。
99年1月PDAM1として国内を取りまとめ回答した。
既に制定済みの7816−4におけるセキュアメッセージング機能の拡張と、インタ
ーネット利用電子商取引に必要な暗号関数を利用するセキュリティ関連コマンド等を
規定。
カード内のファイルとオブジェクトのライフサイクル(状態遷移)、その使用方法、
関連コマンド、メッセージを規定。 これらを決める上で必要なセキュリティを決
めた。 セキュリテイを持ったカード発行に必要な為、今後重要である。
(4) ISO/IEC 7816-10(同期式カード)のFCD投票及び検討を行った。(賛成)
テレフォンカードとして普及しているフランスどドイツの仕様を規格化した。特に問題はなく
(95%が賛成)FCDを完了。
(5) ISO/IEC 7816-11(ICカードマルチアプリケーションのフレームワーク)
JAVA CARD,MULTOS等のマルチアプリケーションカードが提案されている中で標
準規格としてその雛形を提供する意味から、本規格の重要性は認識された。
カードのアプリケーションのライフサイクル即ち、実装から更新、廃却までの一連
の手順の中でもオープンなネットワークから変更する手順等の内容を議論した。
特に本手順はドイツ、ゲルテカルテからの要望を入れたものであり、セキュアな
ローデイング、Key Managementが重要である。
WG4としてはNWIとして取り上げる方向。
(6) ISO/IEC 10373-3.2(ICカードテスト方法)のCD対応(反対)
ICカード及びIFDの物理、プロトコル試験について検討した。 カード物理試験に
関しては本来7816にて仕様が決められているものと、カード品質向上の為新たに
追加されたものがあり、その妥当性について国内メーカの意見をまとめ対応した。
本件継続可否を議論する為のアンケートを実施。
2年くらい議論延期の意見が大勢、但しUKは今後マルチアプリケション上モービルホーンとの連携が
考えられる事と、マーケットニーズから続けたい意向。 USはno market needsから取り下げ。
現状結論繰り延べ、議論の継続は決定。次の会議で議論する予定。
(8) New Work Item 個人認証用生体認識の検討
WG4 N1392 BIOMETRICS PERSONAL AUTHENTICATIONの検討
7816-4にて仕様化済みのコマンドを使って生体認識(今回は音声認識)を実行したい。 標準
にしたい理由は上記コマンドに多少の変更が入る為。
本提案は支持。 SCOPEとして明記するのは IC,ID1 CARD,GENERAL BIOMETRICS(音声認識
に限定せず),として標準化検討予定。
(9) ICカード端末(IFD)の新規格提案(NWI)
本NWIはイギリスの銀行(Nat West)がIFDを採用(認定)する時の基準が
現在無く個別に規定している為問題が多いので標準規格を制定する気運となった。
本規格はIFDに対するRequirementを規定。
Requirementは物理層、データリンク層、伝送層、アプリケーション層に分けて規定
し、かなりEMV仕様を意識している。
問題点の共通認識から大筋賛成、TASK FORCEを設けて検討する事をSC17に上げる
こととなった。 日本の意見としては本検討にはEMVのみならずTC68系銀行規格
も考慮することを要請した。
4.2 今後の主要課題
@ ISO/IEC 7816-9(拡張コマンド)のFCD対応
A ISO/IEC 7816-10(同期式カード)のFDIS対応
B ISO/IEC 10373-3(ICカードテスト方法)のCD検討
C NWI Low Voltage対応
D NWI個人認証用生体認識の検討
E NWI ICカード端末(IFD)の新規格検討
開催月日 開催場所 出席予定者
1) SC17/WG4 99.5.17〜5.21 イギリス(ロンドン) 3名
2) SC17/WG4 99.11.8〜12 日本(未定) 5名
5. WG5(カード発行者番号等)関係 WGA主査 大坪 直彰
文書案の検討を行い、CD投票(1999年4月29日締切り)に送付した。
が照会するなど調査を行い、原則として回収する方針が了承された。
6. WG7(金融取引カード)関係 WGA主査 大坪 直彰
7813(金融取引カード)について、5年見直し文書の検討を行い、CD投票案を作成
した。なお、本件の日本国内の検討は、WG5案件とあわせて、WGAが担当している。
7. SC17/WG8(コンタクトレスICカード) 主査 加藤 俊幸
7.1 審議対象コンタクトレスICカード
英語表記 |
略語 |
日本語表記 |
ISO/IEC番号 |
審議組織 |
参考通信距離 |
Close coupled |
CICC |
密着型 |
10536 |
WG8/TF1 |
2 mm |
Proximity |
PICC |
近接型 |
14443 |
WG8/TF2 |
10 cm |
Vicinity |
VICC |
近傍型 |
15693 |
WG8/TF3 |
70 cm |
(添付1.ICカードのISOでの分類,添付2.コンタクトレスICカードの特性と用途)
7.2 98年度の会議開催実績
−WG8 :2回(第18/19回)開催
(主査 Michael HEGENBARTH-ドイツ・ドイツテレコム)
−WG8/TF1 :TFでの審議終了し,開催無し
(主査Chris STANFORD-英国・コンサルタント)
−WG8/TF2 :3回(第12/13/14回)開催
(主査 Pascal ROUX−フランス・アスコム)
−WG8/TF3 :4回(第5/6/7/8回)開催
(主査Chris STANFORD-英国・コンサルタント)
7.3 審議状況
7.3.1 密着型
(1) ISO/IEC 10536-1 物理的特性(Physical characteristics)
92年9月出版。改訂版のFCD化決定(99/02)。改訂では,CICCをClose-coupled
(Integrated Circuit(s))Cardの略称とし,近接型・近傍型のパート1との整合性を図った。
このために,Project editorをコンタクトレスすべて同一とした。
(2) ISO/IEC 10536-2 結合領域の寸法と位置(Dimensions and location of coupling areas)
95年12月に出版された。
(3) ISO/IEC 10536-3 電気信号とリセット手順(Electronic signals and reset procedures)
96年12月に出版された。
protocols)
95年時点よりCDの状態で放置してあったが,つぎの変更を入れることで,2ndCD化
(現状は99年5月目標)を決定している。
@プロトコールはT=1のみをNormativeとして残す。
AT=2(全二重通信)は,評価完了していないので,Informativeとし,Annexに移動す
る。
(5) ISO/IEC CD 10373-4 テスト方法
静電気試験方法について,端子付きとは異なり,IEC61000-4-2の接触・直接方式を
採用し,基準値をレベル3の6kVとすることで決着している。これは近接型・近傍型にも
採用される。現状,優先度低く,CDの段階で放置のまま。
(6)Project editor
−10536-1 :加藤 俊幸(日本・デンソー)
−10536-4 :Michael HEGENBARTH(ドイツ・ドイツテレコム)
7.3.2 近接型
(1) ISO/IEC 14443-1 物理的特性 (Physical characteristics)
FDIS化が決定(99/02)。99年内に近接型の初めてのISO化が見込まれる。
(2) ISO/IEC 14443-2 電波出力と信号インタフェース(RF power and signal interface)
(添付4)
タイプAとタイプBの2案のみの共存案のまま,FCD化決定(99/02)。日本は,CD化の
suitability投票,続くCD投票でタイプC(ASK10%,Manchester方式)を提案してきたが,
却下されている。
カードのアンテナは,少なくともISO/IEC 7816-2に記載の端子の中心を芯とする直径
5mmの円を囲むものとすることを追加(99/02)。これは,小型リーダライタでの読取りの
ために規定される。
(3) ISO/IEC 14443-3 初期化と衝突防止(Initialization and anticollision)
リーダライタは,ポーリングにより,タイプA-ビットコリジョン方式とタイプB-タイムス
ロット方式を呼び出す。また,タイプA-タイムスロット方式は,option仕様として記載さ
れることで2nd CD化を決定(99/02)。
(4) ISO/IEC 14443-4 伝送プロトコール(Transmission protocols)
端子付きのISO/IEC 7816-3のT=1を非接触用に改良したタイプ(T=CLと呼称)をWDに
入れる予定。この後のパートは近接型としては審議せず,ISO/IEC 7816-4以降を利用する
こととした。99/10にCD化し,TF2審議終了の見込み。
(5) ISO/IEC 10373-6テスト方法
WD完成(98/10)し,WG1に提出済み。WG1にて編集上の課題を出す予定(99/3)。
(6) Project editor
−14443-1 :加藤 俊幸(日本・デンソー)
−14443-2,3 :David BADDELEY(スイス・モトローラ)
−14443-4 :Hauke MEYN(ドイツ・フィリップス)
7.3.3 近傍型
(1) ISO/IEC 15693-1 物理的特性 (Physical characteristics)
カードのクリップ用の穴の形状をinformativeとして記載。日本は,これに反対した。しかし,
WG8でのFCDコメント処理では,日本以外の賛成が圧倒的であり,Warning(自動機械に
穴のあるカードを挿入すると故障の原因となる)を入れることで妥結した。FDIS化が決定
(99/02)。
(2) ISO/IEC 15693-2 電波出力と信号インタフェース (RF power and signal interface)(添付5)
世界各国の電波事情・使用時のノイズ環境で通信距離が大きく異なることから,カードは
複数の変調方式・速度の機能を搭載し,一方,リーダライタは単一の通信仕様を指定でき
る方式とした。従来の密着型・近接型では,リーダライタが複数の異なった仕様のカードを
読めることを要求されている。
CD投票で,米国から反対案が出されが,却下された。主な反対理由は,仕様が複雑であ
るというものであった。コメント処理では,標準化により,国際的な相互運用性・多数の製
造者から購入できることが可能となり,結論としてコストは下がるとのresolutionを出し,」
米国案を却下した。
FCD化決定(99/02)。
(3) ISO/IEC 15693-3 プロトコール(Protocols)
99/2に提案が出された。衝突防止はタイムスロットを基本としている。衝突防止用の固有I
Dは,8バイトを想定し,SC31の検討しているISO/IEC 15963の案を採用する可能性もあ
る。これはSC17の7816-5の製造者番号を利用するものである。近接型とは異なり,端子付
きの7816-3 あるいは7816-4を利用する方向ではない。99/10にCD化の見込み。
(4) 後続のパート
パート4 アプリケーション/発行者登録(Registration of application/issuers) の予
定を初期に立てた。しかし,パート3の範囲も審議の必要性に関して疑問も出されており,審
議内容は未定。
(5) ISO/IEC 10373-7テスト方法
WD 10373-6を参考として,WD完成(99/2)。WG1へ10373-6と同様に配付され,編集上
の課題を審議される予定(99/3)。
(6) Project editor
−15693-1 :加藤 俊幸(日本・デンソー)
−15693-2 :Chris STANFORD(英国・コンサルタント)
−15693-3 :Alain BERTHON(フランス・TI)
−15693-4 :未定
7.4 WG8関連国際会議予定
−WG8/TF2 第15回 99-05-31,06-1/2 オーストリア(ウイーン)
−WG8 第20回 99-06-02/03/04/05 オ−ストリア(ウイ−ン)
−WG8/TF3 第9回 99-06-07/08 オーストリア(ウイ−ン)
−WG8/TF2 第16回 99-10-11/12 米国(サンディエゴ)
−WG8/TF3 第10回 99-10-13/14 米国(サンディエゴ)
−WG8 第21回 99-10-14/15, 18/19 米国(サンディエゴ)
尚、各会議に4名出席の予定。加えてWG8へはProject editorとしてさらに1名追加出席の
予定。
8. SC17/WG9(光メモリ−カ−ド) WG9主査 斎藤八郎
8.1 活動状況
(1) 国際会議が下記の2回開催された。
1998年6月16日 米国 サンフランシスコ
1998年10月6日 日本 東京
(2) 国際規格の審議状況と主要成果
1) ISO/IEC11694-2P-DAM1投票結果に対するコメント処理を完了。F-PDAMに
まわされた。
エディトリアルコメント付き賛成。国際投票の結果、承認された。
エディトリアルコメント付き賛成。国際投票の結果、承認された。
4) ISO/IEC11694-2、定期見直し。CD投票を実施(99年1月19日)。
エディトリアルコメント付き賛成。国際投票の結果、承認された。
トとFCD投票に向けた審議を行い、FCD投票にかける。
コメントとFCD投票に向けた審議を行い、FCD投票にかける。
コメントとFCD投票に向けた審議を行い、FCD投票にかける。
の活動を行う。
1) 99年5月10日 米国 シカゴ
2) 99年10月5/6日 米国 フェニックス
上記国際会議に最低4名参加予定(除、コンビナー、セクレタリー)
9. SC28 (事務機械) 委員長 山田 尚勇
あった。日本より7名が出席した。
ず、不成立となった。なお、当年度は主に次のような成果があった。
@ ISO/IEC 14545(複写機生産性測定方法)のISが発行された。
A 次の規格の成案をIS発行の手続きに回付することができた。
ISO/IEC 10561(クラス1,クラス2 プリンタのスル−プット測定方法)の改訂版
ISO/IEC 13660(モノクロ画質評価方法)
ISO/IEC 14473(イメ−ジスキャナ仕様書様式)
ISO/IEC 15775(複写機用カラ−テストチャ−ト)
ISO/IEC 15404(ファクシミリ仕様書様式)
進展はあったが、国際的には、NP 6件の不成立の事情もあって、規格の検討は進展
していない。
@ カラ−テストチャ−トのIS発行後の対応(詳細はWG3報告参照)
A 新テ−マの発掘と提案
B Pメンバ−への参加勧誘
Fast Trackで提案されたカラ−テストチャ−トのコメント処理で、日独米の意見が
対立し、中央事務局を巻き込んで解決せざるを得なかった。Fast Track制度の欠点
が露呈した形となり、改善提案についてJTC1国内(委)で検討したが、運営(根回
し、事前協議等)でカバ−することとなった。
10. SC28/WG2 プリンタ 主査:竹信秀俊
10.1 活動状況
プリンタ関連の作業は、95年度で一通り完了しているため、本年度は活動を行っていない。
ただし、「第9回SC28Plenary Meeting」(98年5月ブラジルで開催)の議題に“カラーテスト
チャートのデジタル化”が挙がっていた為、この会議にWG2主査が出席した。 NWIとし
てこのテーマが承認されたが、適用範囲がプリンタ以外の製品にも及ぶ為、国内における本
テーマの検討WGは、別途、新規メンバーで構成されるべきである旨の合意がSC28国内
委員会でなされた。
10.2 今後の主要課題 特に無し。
11. SC28/WG3(複写機) WG3主査 コニカ 伊藤 丘
11.1 活動状況
(1) カラーテストチャート仕様規格:(DIS15775)
独がFAST TRACK制度を利用して提案した本規格は、種々の問題点があったため日米伯
は反対をしたが、97/12にDIS投票が実施され、我々の意に反して承認されてしまった。
日本側としては98/3に開催されたBallot Resolution Meetingにて修正提案 を出す一方、こ
のままでは合意に至ることは出来ないということで、その場では日米の提案により「廃
案」との結論とした。
しかしながら、独は会議終了後に翻意し、BRMの否決合意は無効であると主張し、98/5
のPlenary meetingにて再度の審議が行われ、会議冒頭にISO事務局に判断を仰いだ結果、
一度DIS投票によって承認された規格は、BRMでは廃案とすることは出来ない」との結論
となった。
このため、BRMを継続する形をとり、日米からは独に対して大幅な修正妥協を迫り、
99/11に本規格の最終案に合意した。現在は、書式や内容が規格として妥当なものであ
るかの判定をSC28事務局を通じてISOへ問い合わせをしている状況である。
また、今回の経緯は、BRMのルール並びにそもそものFAST TRACK制度自体に欠
陥があるために生じた問題ということで、日本側のJTC1への要望文書をまとめて
提出したが、ルール改訂やFAST TRACK制度の改訂を申請するまでに至らず、DIS
投票前の各国への根回しや調整作業に注力することで今後の対応を行うことと
なった。
(2) その他規格
14545 複写生産性測定方法 ISO発行手続き中
11.2 今後の課題
(1) カラーテストチャート仕様規格
本規格については、事務局からの回答を待っている状況であるが、発行後には改めて、
日本側としては「改訂」を含めた対応を協議する予定。
(2) デジタル機器に関する規格
アナログ複写機からデジタル複写機への移行に伴い、従来の機種ごとの枠組みでは処理
できない規格が増加すると見込まれ、他のWGとも協力・調整して対応を進めたい。
11.3 その他(特記事項) 特に無し
11.4 国際会議参加予定
'99年5月17〜21日 日本(横浜) 2名
Plenary Meeting
11.5 国際規格のアップデート状況
DIS投票 IS制定
15775 カラーテストチャート規格 97/12 IS発行手続き中
12. SC28/WG4 (画質評価) 主査 稲垣敏彦
12.1活動状況
(1)ハードコピーの画質属性測定規格(DIS13660)
ハードコピーの画質属性測定規格の第1弾である、モノクローム画像の画質属性を測
定するDIS13660「Office equipment - Measurement of image quality attributes for
hardcopy output - Binary monochrome text and graphic images」が98年5月の第9回総会
でISとして発行されることになった。画質属性の中で較正方法が未検討の項目に関して
は、Mr. Paul Spencer (USA)がProject Editorとなって検討する較正方法の追加
(JTC1-N5458 - Addendum to IS 13660)が、New Work Itemとして提案され、新しい較正
方法が確立できたら13660を改訂するということになった。新しい較正方法の今後の進
め方を、総会でP.Spencerと決めたが、New Work Itemの 投票で5カ国の承認が得られ
なかったこともあり、進展していない。
WG4国内委員会としては、本規格の内容を広く普及させるために事務機械工業会標準
を目指して、標準案の全訳を準備中である。
(2)画質属性測定関連規格
画質属性測定規格13660の次のステップとして、第9回総会にて次の2点がUSAより
新たに提案されたが、進展していない。
@ Banding
画質欠陥の一つであるバンディングの定義と定量的な測定方法を規定する
規格であるが、ISではなく、Technical Reportとして発行される可能性もある。
A Attributes of image quality to visual perception
カラー及びモノクロ画質の属性(物理量)を総合評価(心理量)と対応付ける規格
で、総会後6ヶ月以内にNew Work Item が提案されることになっていたが、
提案されていない。
12.2 今後の課題
(1)ハードコピーの画質属性測定規格
IS 13660の残された課題である、新しい較正方法の検討をUSAと協業で進める予定であ
る。また、スキャナーベースで、テストチャートを使わないで、画質測定するという13660
の方法をより発展させるために、WG4国内員会で次のステップであるカラーハードコピ
ーへの拡張を次回総会で提案する準備を開始した。
(2)画質属性測定関連規格
「Banding」および「Attributes of image quality to visual perception」に関しては、
USAの提案内容が明らかになった時点から検討を開始する。
13. SC28WG5(リサイクリング) 主査 小渋 弘明
13.1 活動概況
・1998年5月18日〜5月22日 ブラジル、リオデジャネイロ :
日本からは小澁WG5主査が参加。
いう結論に至る。SWGの活動が停滞気味であり、進展は見られなかった。
・
日本独自案の検討継続し、事務機器における製品の定義を使用される部品とその品質保証の観点から案を作成する活動実施。
・本年5月の横浜で開催される国際会議への提案を目指して活動中。
13.2 今後の課題
定義に関して公正取引や不当表示等の法的な問題が発生しないか、確認の精度を上げる
必要がある。
14. 第74委員会(情報処理機器の安全) 委員長 鈴木 俊雄
14.1 活動概要
本年度は、国内対応として、主にIEC60950 のJIS化審議とJIS原案作成作業を行なっ
た。国際対応としては、IEC60950第3版のCDVやFDIS等の審議とJISC/CENELEC
情報交換会のテ−マの一つであった「ICT機器(Information and
CommunicationTechnology Equipment)の安全性」について、日本のポジションペ−パ−を
作成・準備し、会議に参加した。それぞれの審議内容の概要は次の通り。
(1) JIS C 0950 原案作成とその審議
当74委員会を構成する3工業会(日本事務機械工業会、日本電子工業振興協会、
通信機械工業会)の代表と74委員会の主要メンバ−にて原案の審議作成を
行ない、第74委員会の承認の後、工業技術院に提出した。 IEC整合化規格として
作成され、昨年7月1日から施行された電気用品取締法技術基準省令第2
附表1-6-111「事務機器を含む情報技術機器の安全(基準番号: J60950)」と
基本的には、同じ内容とするよう配慮したが、JIS規格の性格上、止むを得ず変更し
たところがある。 主な変更事項は次の通り。
翻訳した。
を表示することとされているが、JIS化に際しては、原国際規格と内容を一致させる
ため、「製造者名、商標、又は識別表示」を表示することとした。
る旨の規定が設けられている。しかし、JIS化に際しては、純粋に技術的基準のみを
内容に盛り込むこと、及び原国際規格との整合性を最大限維持することをその骨子
とするため、電気用品取締法関連の記述は最大限排除した。
・引用されている国際規格については、その規格に整合したJIS規格を採用した。
しかし、JIS化審議の段階においては、多くのJISが国際規格整合化の過程にあった
ため、それぞれの規格について国際整合化のレベルを十分に把握できなかったことも
あり、国際規格への整合が確認できたJISについてのみ引用した。
(2) TC74関連IEC文書の審議
審議した主な改訂提案は、次の通り。
反映された。しかし、三層絶縁電線に関する今後の詳細審議は、TC55へ移行される
予定。
・74/498/FDIS: IEC60950第3版のドラフト)
これは、昨年74/484/CDVとして審議し、コメントした内容が反映され、作成され
たもの。
「Acoustic Shock」については、長年審議されてきたが、WG7にて合意が得られ無か
った為、最終的には、取り下げられた。日本のコメントとしては、編集上の修正につ
いてのみ行った。
・74/497/CDV: ガイド105「通信回線に接続される機器の安全性」改訂案
昨年3月テルアビブ会議にて74/488/CDとして審議され、オ-ストラリアのみがコメ
ントした。編集上の修正を除き、日本としては問題はなく、賛成した。
・74/503/INF(77A/261/CDV、77A/262/CDV)
電源高調波の限度値に関するSC77Aの提案に賛成し、74委員会としては、今後審議
しないこととした。
・74/499/CD、74/499A/CDの審議
通信回線から電源を供給するリモート・フィーディングに関する要求で、通信回線に対する
要求事項(第6章)の後に、第7章として追加される。 現在日本では、殆ど使用
されていないこともあり、日本としての意見はなく、コメントしなかった。
・74/501/CD, 74/501A/CD の審議
コーティングされたプリント基板に対して、特定の試験に合格すれば、絶縁距離の
要求を緩和する提案。特にコメントなく日本として賛成することとした。
・ハワイ会議(99.5.18 - 21)のテ−マの一つ「Laser要求への対応について」
日本としての意見を提出するため、次のような観点から検討を行なっている。
作状態を示すものであって、眩しくないもの」に限って対象外とする。
2) 赤外については、動物実験中であり、その結果がでる迄、待つべきである。
(3) JISC/CENELEC 情報交換会
この情報交換会は、8月26、27日に開催された。この準備のために幾度となく第74
委員会内部会議とCENELEC国内委員会が開催され、開催の準備や進め方、そして議
事進行に際しての日本として立場について審議検討等が行なわれた。 この情報交換
会の主な審議結果は、次の通り。
とIEC60950を統合した規格を検討する必要性について、審議することとした。
がある。
で行なうこととした。
14.2今後の課題
次のような課題が考えられる。
WG6/7/8京都会議の円滑な推進のため、WGを設ける等、準備万端整える。
検討する。
する。
(4) IEC 60950の第3版の修正提案の審議。
審議に際しては、「JIS C 0950」の内容やIEC 60950第3版のJIS化審議内容を反映
させる。
纏めていくことになっており、第74委員会としては、そのフォロ−を行なう。
関連国際規格の現状と今後の見通し
規格番号 |
規 格 の 名 称 |
現状 |
今後の計画(見通し) |
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WD |
CDV |
FDIS |
IS |
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IEC60950 (第3版) |
情報技術機器の安全 |
74/498 /FDIS |
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投票 12/30 |
発行 99.04 |
IEC60990 (第2版) |
タッチカレント測定法 |
74/475/CDV |
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投票 99.04 |
発行 99.08 |
ガイド105 (第2版) |
通信回線に接続される 機器の安全性 |
74/497 /CDV |
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投票 12/30 |
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IEC62018 |
エネルギーマネジメント |
74/477/NP |
99.08 |
平成10年度 国際会議出席者リスト
会議名 |
開 催 日 |
開催場所 |
出 席 者 名(敬称略) |
WG6 |
98.10.26 - 30 |
トリノ会議 |
佐藤(富士通電装)、 森(古河電工) |
WG7 |
98.09.21 - 24 |
トロント会議 |
漆島(松下通信) |
WG8 |
98.05.25 - 29 |
コペンハ−ゲン会議 |
田中(JET)、近藤 (JQA) |
98.10.26 ? 27 |
トリノ会議 |
田中(JET) |
平成11年度 国際会議出席予定者リスト
会議名 |
開 催 日 |
開催場所 |
出 席 者 名(敬称略) |
TC74 プレナリ− |
99.10.18 - 20 |
京都会議 |
未定 |
99.05.17 - 18 |
ハワイ会議 |
佐藤(富士通電装)、 森(古河電工) |
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99.10.21 - 22 |
京都会議 |
未定 |
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WG7 |
99.04.19 - 22 |
アンティポリス会議 |
中村(沖電気)、 漆島(松下通信) |
99.10.27 - 29 |
京都会議 |
未定 |
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WG8 |
99.05.18 - 21 |
ハワイ会議 |
田中(JET)、 近藤(JQA)、 後藤(JQA) |
99.10.25 - 27 |
京都会議 |
未定 |
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WG9 |
99.05 |
ハワイ会議 |
佐藤(リコ−) |