8.理想の電子マニュアル?

質問8:あなたが望む(理想とする)電子マニュアルとはどんなものかご記入ください。
(ユーザーニーズを引き出すための設問となっている)

●まとめ

 今回のアンケートの結果からは、電子マニュアルには、次のようなことが求められているといえる。

1. 探しやすいこと
2. 見やすいこと・取り扱いやすいこと
3. 適切な情報が得られること
4. 楽しめること
5. マニュアルレス
6. その他

 今回のアンケートでは、検索に期待する回答が多く見られた。製本されたマニュアルの場合、多くのものがひととおり読むことを前提としている。一部、リファレンスマニュアルという形態もあるが、ある切り口からの検索に特化したもので、どのような場面でも検索がしやすいとはいえない。ユーザーが検索する切り口は無限で、無限の切り口から検索ができることを電子マニュアルに期待している。実現するアイディアとしては、不完全なキーワードであっても補完して検索することや、同義語を認識して検索することがあげられている。

 現在の電子マニュアルに関しては、取り扱いについての不満があるようである。特に、電子マニュアルを見ながら、説明されている操作をすることができないことに関連する回答が多い。また、電子マニュアルを見るためのソフトウェア(ビューワー)の起動時間や、表示のための時間、ビューワーの操作についての重視する回答が多い。

 ウィザード形式のヘルプなど、アプリケーションソフトウェアと連携した電子マニュアルに対する期待も高い。この場合に求められているのは、できる限りの多くの情報をもったデータベースから、状況に見合った情報に絞り込まれて提示されることである。さらに、提供される情報のレベル(詳しさ・難易度)もユーザーに合わせた形になっていることが望まれている。

 マルチメディアであることを活かしている電子マニュアルを期待する回答も多い。文字や図だけでなく、動画・音声などが充実していて楽しみながら学べることが求められている。

 「検索のしやすさ」とともに、「マニュアルがいらないユーザーインターフェース」をという回答が多かった。ヘルプや電子マニュアルなど情報を提供するシステムとユーザーインターフェースが一体化し、マニュアルがあることを意識させない作りになっていることや、自動診断機能が充実していることが求められている。

 その他には、情報が更新されるもの、事例が豊富なものという回答が目立った。

●回答例

1.探しやすいこと

・ とにかく、自分の見たい内容をすばやく検索できるものがよい。
・ 検索性が良いもの。
・ 検索機能が充実していて、知りたいことがすぐ判る。
・ 知りたいことがすぐに引き出せるマニュアル。
・ 「したいこと」でいっぱつで検索できる。
・ 同義語をキーワードとして認識し、何をどうしたいかを入力すると回答のページが出てくるもの。
・ 層が簡単で項目(目次。索引)がひとめで分かるもの。
・ 検索機能に優れているもの。
・ いつもは使わないが、困ったときに詳しい情報が簡単に検索教えてくれるもの。
・ キーワードから入っていけること。キーワードがないときまたは見つからないときは、別の方法からたどれること。
・ 調べる人が必ずその情報にたどりつけること。
・ 簡単に検索できるもの。
・ 検索しやすい。
・ 調べたい内容がすぐ表示される。

2.見やすいこと・取り扱いやすいこと

・ 小冊子の大きさ、薄さで、特別な装置不要で参照可能なもの。
・ 必要な項目のみ印刷。
・ プリントアウトしなくても、画面で判読できるもの。
・ 操作が本と同じくらい簡単なこと。
・ 画面上でも紙にプリントアウトしても見やすいこと。
・ シンプル。
・ 見た目が良いもの。
・ 表示のときに邪魔にならない。
・ 紙と同じ感覚で取り扱えるもの。
・ マニュアルの画面と作業中の画面が重なって読みにくい場合があるので、改善法を考えて欲しい。
・ データが軽く動作のはやいもの。
・ 見やすい。
・ PC画面で(11.3インチ)全体が把握できるもの。
・ 画面のすみにいつでも開いており、見たいページがすぐに見られるもの
・ 特別なソフト/装置が無くても見られるもの。
・ 短時間で見られる。

3.適切な情報が得られること

・ 紙マニュアルを必要としていないほど、内容が充実しているもの。
・ これがあれば万人が理解できセットアップできるもの。
・ 言葉の解説の詳しいもの。
・ 操作に追従しているもの。
・ 必要な事が確実に書かれていること。
・ 誰にでも(初心者等)わかるもの。
・ 階層が深く、知りたいことはどこまでももぐって検索していけるようなもの。
・ ひたすら詳しいもの。
・ トラブルシューティングWizard。不具合が起きた時に、現象を質問形式で入力していくと原因と対策方法を教えてくれる。
・ Interactiveで思いがけないような事態などにも敏速に対応できるもの。

4.楽しめること

・ 紙のマニュアルをただ電子化しただけでなく電子化されたメリットを持つもの。
・ メディアがマルチであることを生かしているもの。
・ 紙マニュアルでできないことまで、きちんと作り込まれているもの。
・ インターネットのマルチメデイアタイプかCD−ROM。
・ 文字だけではなく見いて楽しく、わかりやすい。
・ 動画/音声で要点をインストラクターから聞いている様に教えてもらえるもの。

5.マニュアルレス

・ マニュアルなしで機器が対応してくれる。でも障害時にこそマニュアルが必要。
・ 存在を意識させないもの。気の利いた検索装置だけでよい。
・ プラグ&プレイ(マニュアル不要)であればもっと良いのでしょうが。
・ 基本的にマニュアルなどなくても使える製品を目指すのが第1。
・ マニュアルレス。マニュアルなしで使用可能な製品を!
・ マニュアルは要らない。自動診断、自動修正するソフトを作るべき。
・ 機械が使えれば、マニュアルは不必要。

6.その他

・ 定期的に内容の更新が可能なマニュアル。
・ 概念的な説明だけでなく、具体的な操作例を出してほしい。
・ スタンドアロンではCD−ROM(or DVD−ROM),ネットワーク/インターネット接続可能であれば、ホームページでの提供。
・ ホームページのような形式で、最小限の絵と詳細な説明が入っており、項目の検索や行き来が簡単に出来るもの。
・ プリンター本体に画面があり、対話式に調べることが出来るもの
・ 各社独自の紙によるマニュアルもおもしろいが、電子マニュアルは、より機能的に、標準のフォーマットに従い会社間、製品観で統一されればおもしろい。マニュアルだけでも、統一フォーマットによってフリーで配信されれば、ユーザーは例えば機能面などで事前にいろいろと比較できる。