委員長 山田 尚勇
3.12.1活動概況
(1)本年度に開催された国際会議は、昨年6月に横浜で開催されたプレナリ− 1回のみであった。日本より17名が出席した。
(2)横浜会議で、10件のNP候補(下記)が設定されたが、DINからのFast track提案4件 (下記 E - H ) を除き、5カ国参加の保証が得られないまま、提案保留となっている。しか国内委員会としては、主要課題について、検討を開始又は継続している。
(横浜会議で提起されたNP候補)
A Minimum specification for image SCanners, addendum
B Method for optimizing image reproduction
C Print quality attributes for machine readable digital postage marks
D IS 13660 addendum, Calibration numbers
E Method for specifying image reproduction for color devices-Basis
F Method for specifying image reproduction for color devices-Printers
G Method for specifying image reproduction for color devices-SCanners
H Method for specifying image reproduction for color devices-Monitors
I IS 13660 addendum, Banding
J IS 13660 addendum, Measurement of image quality attributes for hard copy output
-Large area color images
(3)当年度は主に次のような成果があった。
@韓国・中国に、Pメンバ−への参加勧誘を行い、同意を得た。(ただし、実参加は遅れている。)
AWG6(カラ−マネジメント)及びWG7(消耗品)を発足させ、横浜会議で提起された課題の検討を開始した。C Asia版カラ−テストチャ−トの作成
D モノクロ画質評価の校正用チャ−トの作成
E リサイクル用語のとりまとめ
F 次のISが発行された。
ISO/IEC 10561(クラス1, 2 プリンタのスル-プット測定方法)改訂版
ISO/IEC 14473(イメ−ジスキャナ仕様書様式)
ISO/IEC 15775(複写機用カラ−テストチャ−ト)
3.12.2 今後の主要課題
@
新たに発足させたWG6及びWG7の早期立ち上げ
A 新テ−マの発掘と提案(継続)
B Pメンバ−への参加勧誘(継続)
C 制定された国際規格のJBMS/JIS化の推進(支援)
主査:竹信秀俊
3.13.1 活動状況
プリンタ関連の作業は、95年度で一通り完了しているため、本年度も活動を行っていない。ただし、ISO/IEC15775 Multi-part化のDIN提案に“カラーテストチャートのデジタル化”と“プリンタのpart”が挙げられている為、WG3(複写機)が検討を開始した“日本版チャート”の検討にWG2主査も参加した。「Multi-part化のDIN提案」の検討の為には、複写機、プリンタ、スキャナ、モニター等の製品知識とカラーマネージメントの技術的知識等、幅広い知識が求められる為、新規にWG6を発足させて対応することがSC28国内委員会で決定された。
3.13.2 今後の主要課題
DIN提案のNWI「Determination of the yield of consumables (toner/ink, black) for copiers,printers, fax equipment and their combinations.」の内容検討
主査 伊藤 丘
3.14.1 活動状況
(1) カラーテストチャート仕様規格:(IS-15775)
複雑な経緯をたどりつつも、99/12にISとして、本規格は正式発行された。
(2) multi-part規格
上記IS-15775規格を拡大発展させ、カラー複写機のみならず、対象をプリンター・モニター・スャナーへ広げて画像評価を行うための規格案が、独よりNPとして99/5の横浜Plenary国際会議にて正式提案された。
本件については、他のWGとも協力し対応を検討中であるが、この審議の過程で、独作成のIS-15775カラーテストチャートを改訂しうる良い機会であると判断し、WG3としては、Asi版のカラーテストチャーを試作し検討中である。このカラーテストチャートAsia版は、IS-15775規格の枠内に準じてはいるが、日本側が問題視していた各種不具合を修正し、printer出力の評価のめの最適絵柄選択、Asia各国文字(漢字・ハングル文字等)を加えたものであり、現在も試作印刷を継続している。99/11に独Berlinで開催されたWorkshopにて、試作第三版を独に開示したが、独側委員からも好意的な評価を得ており、将来的なmulti-part規格向けのカラーテストチャートとして採用されることを期待している。
3.14.2 今後の課題
(1) multi-part規格
更に試作チャートの改善を進め、2000/5に開催の国際会議にて、multi-part規格書内容の修正とともに、multi-part規格用チャートの提案を正式に行う予定である。
(2) カラーマネジメントに関する規格
multi-part規格にも一部記載があるが、独は、カラーマネジメントに関しても各種機器への適用を規格化検討しており、日本側としては新たにWG6を創立し、このGにて集中的に対応して頂くことを、WG3として提案した。
3.14.3 その他(特記事項)
特に無し
3.14.4 国際会議参加予定
2000年5月 日本(独Berlin) Plenary Meeting 2名
3.14.5 国際規格のアップデート状況
特に無し
主査 稲垣敏彦
3.15.1 活動状況
(1)ハードコピーの画質属性測定規格(ISO 13660)への較正方法の追加
発行間近のISO 13660は、面画像の画質属性に対する較正方法の追加が課題として残されていて、USA(Mr. P. Spencer)がProject Editorとなって検討することになっていたが進展していないことか第10回総会で日本がProject Editorを引受けることで、再度NP提案をすることが承認された。ISO 13660対する学会発表資料を基に13660の問題点を分析し、面画像を含む画質属性較正用チャートを設計た。
較正用チャートの試作品を測定した結果、測定値の変動が大きいので、チャートの見直しを実施した。
較正用チャートの測定結果から較正の目標値を設定する予定である。
(2)カラーハードコピーの画質属性測定規格(ISO 13660 Part2)の提案
ISO 13660の次のステップとして、第10回総会にて、カラーのソリッド及びハーフトーン画像の画質属性測定方法をWG4より提案し、NP提案することが承認された。モノクロ画像の測定方法であるISO13660の面画像の部分をカラーに展開したもので、明度、彩度、色相、カラー背景かぶり、カラー粒状さ、斑(モトル)、背景マーク、白点(ボイド)の測定方法、較正方法、目標値を規定しているカラーハードコピーの画質評価だけでなく、カラーマネージメント用の測定ツールとしての利用も目的としている。
(3)画質測定関連規格
第10回総会にて次の2点がUSAより提案された。
@ISO13660へのバンディング測定方法の追加
プリンターまたは複写機のハードコピー出力に共通する画像品質欠陥である帯状濃度ムラの定義およびその欠陥の定量的な測定方法を規定するもので、第10回総会でNP提案することが承認された。ISではなく、Technical Reportとして発行される可能性もある。AImage Quality for Printing Systems - Perception Based Measurement
プリントシステム(アプリケーション・ソフトを含む)の出力結果を、主観的に評価する方法を規定するもので、第10回総会で新規Studyとして承認された。IS 13660との違いの明確化および内容の詳細説明と評価適用例を各国へ提示することを要望した。
3.15.2 今後の課題
(1) ISO 13660への較正方法の追加
ISO 13660は、学会で問題点が指摘されている一方で、規格に準拠した測定機器の開発が進められていて、測定機器の較正方法の確立は急務である。また、較正方法の確立後には、較正用チャートの供給体制の検討が必要となる。スキャナベースで、テストチャートを使わないで、画質測定するという13660を広く普及させるためには、JIS化も必要と考えられる。
(2)カラーハードコピーの画質属性測定規格(ISO 13660 Part2)
モノクロ用較正チャートが完成し次第、カラー用較正チャートを作成し、提案した規格の目標値設定を行う必要がある。
(3) 画質測定関連規格
USAの提案内容が明らかになった時点から検討を開始する。
主査 小渋 弘明
3.16.1 活動概況
(1) 国際会議
*テーマの焦点をこれまでのReuse of Office EquipmentからOffice Equipment Quality and Performance (仮称)に変更する提案がUSAから出された。ブラジルは賛成、ドイツは保留、日本は懸念表明で条件付き賛成、中国は賛成となり、一応この方向で新たにスタディグループを発足させることとなった。メンバーは、議長Jean Baronas(ANSI、USA)、副議長Henrique Rzezinski(ABNT,Brazil)、メンバーHiroaki Koshibu(小澁弘明JBMA、Japan)及びWolfram Buchroth(DIN、Germany)となった。
*このスタディグループのテーマ名について各国から意見があり、この仮称のもとで活動開始し名称もスタディグループの検討事項とすることとなった。USA提案の活動計画が討議され暫定的に決められ、次の大きなチェックポイントは1999年10月のNew Work Item Proposal決定である事が確認された。
(2) 国内活動状況
3.16.2 今後の課題
3.16.3 特記事項
今回の国際会議より中国の代表団がオブザーバー参加し、SC28のメンバーとなる意向が表明された。