2.6 カード及びカードシステム部会

標準化分科会長 渥美士郎

(1) 活動概況

    カード及びカードシステム部会は、カード及びカードシステム業界の健全な発展を促進ることを目標して活動を進めている。活動組織は、カード需要予測分科会、リーダ・ラ需要予測分科会、標準化分科会、WG1(海外調査)、WG5(普及推進)の3分科会・2Wに分かれており、標準化活動は標準化分科会により行われている。
    標準化分科会は、毎月1回の会合を行っており、1999年度は、JBMS-57「カード及びリーダ・ライタ仕様書様式」の改訂作業を完了したのに引き続きJBMS-58「IDカード通則」の改訂作業に着手し、現在に至っている。

(2) 主要成果

@JBMS-57「カード及びリーダ・ライタ仕様書様式」改訂版の発行

 JBMS-57「カード及びリーダ・ライタ仕様書様式」改訂版を発行した。
主な改訂個所は、1991年の初版制定時にはISO/IEC JTC1/SC17委員会での審議がほとんど進んでいなかったために対象外としていたコンタクトレスICカードを加えたこと、単位系をSI単位系に統一したことなどである。

また、実際に仕様書を作成する際の参考資料として、各種のカードやリーダ・ライタの“仕様書例”を多数、附属書に追加したことも、今回の改訂版の特長である。

AJBMS-58「IDカード通則」の改訂

 1991年の初版制定時とは比べものにならないほど、現在では数多くの個別規格が制定されている。それゆえ、カード規格の専門家でない方々がカード関連規格を調査しようとしても、何から調べたらよいかがわかりづらく、またカードの専門家であっても、ややもすると混乱してしまうということが無きにしも非ずという状況になっている。
そこで、専門外の方々にとっては、カード関連規格を調査する際のわかりやすい指針となり、専門の方々にとっては、カード関連規格の全体的な概略を再確認する際の指針となるような通則とすることを目的として改訂作業を行ってきた。この観点から、個別規格の一覧を充実させて、全体像や概念をこの通則で把握し、詳細は個別規格を参照してもらうという形をとった。
現在、改訂原案作成作業はほとんど終了しており、近々に改訂原案をJBMS推進小委員会に提出して審議を仰ぎ、発行していただく予定である。
B国内IDカード関連規格一覧のホームページへの掲載
 2000年4月を目標に開設準備を進めている「カード及びカードシステム部会のホームペジ」に掲載するため、“国内IDカード関連規格一覧”と“国内IDカード関連規格と国際規格との対応表”を作成した。

(3) 今後の活動

 カード関連技術は急速に進歩しているため、1996年に発行したJBMS-56「カード及びードシステム用語」が早くも陳腐化しつつあり、早急な改訂が要望されている。そこでJBMS-56「カード及びカードシステム用語」の改訂作業が今後の主要課題であると考えいる。また、「カード及びカードシステム部会のホームページ」用原稿として、カードシステムを導入する際に、どの段階ではどの規格が関連し、どの段階ではどの規格に留意すべきか、といったことをわかり易く解説する“カードシステム導入の栞”的な啓蒙記事を作成したいと考えている。